フレンチ・ヴァイオリン・ソナタ集
↑↑↑↑をamazon.co.jpで内容をチェック/購入する↑↑↑↑
曲目リスト
1.ヴァイオリン・ソナタ(プーランク) 2.ヴァイオリン・ソナタ ト短調(ドビュッシー) 3.ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ短調op.75(サン=サーンス)
レビュー
Amazon.co.jp まったく、予想を遥かに上回る凄さである。この演奏に触れようとする幸福な人は、まずは目を閉じ、精神を統一して、呼吸を整え、期待を最高度に高めてディスクをプレーヤーにかけるべきである。どんなに魅惑的な音の粒が踊りだしてくることか! 五嶋みどりは、ギョッとするほどの凝集力で、音楽の本質につかみかかり、ぐいぐいと斬り込んでいく。これほどまでに、吐息のように妖しげな弱音と、肉食昆虫のような優美な機敏さをもって、プーランクが官能的に演奏されたことが果たしてあっただろうか? ふわりとした曲線と人間の声のような生々しい体温がぞくぞくさせるドビュッシー、そして最後のサン=サーンスのソナタ第1番! これはもう圧倒的な出来栄えで、ぐさりぐさりと音が心に突き刺さるようだ。特に終曲のたたみかけるような超高速のパッセージを、ピアノのロバート・マクドナルドとの息もぴったりと合いながら、鬼神のごとき気迫で弾き切る様など、目も眩むような超絶的な瞬間である。みどり以外のいったいだれにこんな演奏が可能だろうか? しかし何よりも、この演奏を聴いて感じられるのは、みどり自身の精神力の横溢(おういつ)とでもいうべきエネルギー、強度である。このディスクに刻み込まれているのは、現在のみどりが到達している恐るべき高みであり、断然別格の芸である。かつての天才少女という前置きは、もはやいまのみどりにはまったく不要であろう。(林田直樹)
内容(「CDジャーナル」データベースより) 五嶋みどりのデビュー20周年記念アルバムは、フランスのヴァイオリン・ソナタ集。微妙な色彩感が魅力的なドビュッシーのソナタや華麗なサン=サーンスのソナタをみどりが見事に描く。
|